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SS「客人」3 セブルス・スネイプ

 ふくろうの右翼の怪我がほとんど治ったので添え木をと
ってやると、止まり木の上でしきりに毛づくろいして羽ばた
くようになった。自由に身体が動くようになったので嬉しい
のだろう。餌も自分で食べるし、世話がかからなくなった。
止まり木から私の書斎机の上までひらりと飛んできて、片脚
をずいっと差し出した。トパーズ色の大きな目が美しい。

「返事がほしいのだな。もうしばらく待ちなさい。おまえは
まだ完全には治っていないのだぞ」

 机の引き出しからふくろう用のスナックを出して、鋭い嘴
の方に投げてやると見事にキャッチした。部屋に生き物が
いるのは意外に悪くないものだ。
 同居人が拾ってきたこの焦茶のふくろうはマルフォイ家で
飼われているふくろうだった。脚についていた金輪の紋章で
すぐにわかった。ふくろうの手当てをする時にすぐに外して
机の引き出しに隠しておいた。同居人が仕事に出ている間に
金輪を杖で叩くと、案の定手紙が出てきた。
 差出人はかつての教え子ドラコ・マルフォイからだった。
私がホグワーツを辞めてからずっと探していたこと、最近、
私が発表した脱狼薬の最も効果的な煎じ方についての小論
を目にする機会があり、一か八かでふくろう便を送ってみ
る事にしたと縷々綴られていた。
ドラコは私に会いたがっていた。
今更、元寮監に相談しても仕方ないだろうとは思ったが、
ドラコの父親は元デスイーターで、ドラコも闇の帝王の手先
として使われていた。未だに世間の目は何かと冷たいのだ
ろう。同じスリザリン寮出身者として話を聞いてやりたい
気持ちもある。
 問題は私の同居人だ。何もわからずに瀕死のふくろうを
拾ったのだと思っていたのに、ちゃっかり金輪の紋章を見
つけていたのだ。その癖、その事にしばらく気づかないふ
りをしていた。あの眼鏡は、私が話してくれるのを待って
いたと言うのだが、結局は堪えきれずに自分から訊いてき
た。私としてはふくろうの怪我が治った時点で話すつもり
だった。マルフォイ家にふくろうを届けて、その時にドラ
コと話せばよい。しかし、眼鏡はそれに猛反対だった。
元デスイーターが元デスイーターの家を訪問したことが世
間に知れたらあらぬ誤解を招くだろう、と。ましてマルフ
ォイ家はあの闇の陣営の本部として使われていたので、
なお悪いと言うのだった。
それならば、どこか別の場所で会う事にしようかと考えた
が、眼鏡はそれにも反対なのだった。眼鏡は兎に角、心配
だからの一点張りで馬鹿馬鹿しい限りだ。

「それならば、ここに招けばいいのか?」

と、半分冗談で提案してみたら、それは構わないらしい。
絶対に自分が在宅している日にして欲しいと真剣な表情で
頼まれた。つくづく変な男だ。ドラコをこの家に連れてく
る人間が必要なのでちょうどいいからその役目を与える
ことにしよう。

拍手してくださった方々、どうもありがとうございます♪
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プロフィール

樹里

Author:樹里
ハリポタのスネイプ教授が
大好きです。わりと腐話が
多いのでご注意ください。
本や漫画の感想も書きます。

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