FC2ブログ

2014年降誕祭SS「任務」

 ちびっこハリーとスネイプ教授シリーズのSSです。
どうでもいい小話ですが、一応クリスマスSSです(^^)
メリーメリークリスマス!

 ゴドリックの谷のポッター家の玄関で、旅行用のマントに身を
包んだホグワーツの魔法薬学教授セブルス・スネイプに小さな
ハリー・ポッターは仔犬のようにまとわりついていた。
「ハリー、セブルスがマントを脱げないでしょ」
と母から注意されて仕方なく少し離れたが、母と同じ緑の眸を
輝かせて、スネイプ教授の一挙一動を見守った。
「わがはい!あのね、あのね」
「なんだ?」
ハリーの子ども部屋でスネイプ教授に遊んでもらっている時の
ことだ。ハリーがまるい顔に真剣な表情を漲らせて、スネイプ教
授に話しかけた。
「あのね、サンタさんのおやつに、きょねんはとうみつタルトをお
いておいたでしょ。ぼく、だいすきだから!」
「あぁ、サンタクロースはちゃんと食べて帰ったのだろう?」
「ひとくちだけたべてのこしてあったの。だからきにいらなかった
んじゃないかとおもうの…」
 スネイプ教授はサンタ役だったシリウスにちゃんと全部食べて
おけと心の中で毒づいたが、ふんふんとハリーに頷いて見せた。
「わがはい、サンタさんはなにがすきだとおもう?」
サンタクロースの食の嗜好は専門外だとスネイプ教授は困惑し
たが、暫しの沈黙の後、
「我が輩の推測ではあるが…」
と、重々しい口調で語りだした。ハリーはまるい顔を輝かせて
スネイプ教授を見つめた。
「サンタクロースは非常に高齢だろう?だから歯にくっつくよう
なものが苦手だと思う」
「どうして?」
「年をとってくると歯のトラブルが多くなってくるものなのだよ。
ダンブルドア校長もやわらかいものを好んでいる」
実際のダンブルドアはラムチョップを好んで食べるような健啖
家だが、この際老人の代表例にしておこう。サンタクロースと
容姿が似ていないこともないしとスネイプ教授は考えた。
「ダンブルドーも!?ぼく、ダンブルドーのカード7まいもって
るんだよ!わがはいみたい?」
いや、毎日会っているので結構だとスネイプ教授は内心思
ったが、
「見せてくれるのか?」とハリーに頼んだ。ハリーはいそいそと
カードを集めているクッキーの空き箱を取って来て、スネイプ
教授に見せてくれた。
それから、ハリーと教授は相談してサンタクロースにはカスタ
ードソースをかけたプディングを置いておいてもらうようにリリ
ーに頼むことにした。リリーはクリスマスのディナーの最終仕
上げにかかっているところだったが、ハリーの頼みを快く引き
受けてくれた。
「ママ!ポットにココアもいれといたげて!サンタさんはおとし
よりだから!」
「いいわよ。あっそうだ、ハリー。今日はセブにあの技を見せ
なくていいの?なんだっけ、ウォーター・フェイント?」
「ウィンター・フェイントじゃなかったか?」
「ブー!ふたりともまちがってるよ!ウオンスキー・フエント!」
とハリーが得意気に二人の間違いを正したが、本人の発音も
かなり怪しかった。それでもすぐにおもちゃの箒をとってくると
スネイプ教授を庭に誘った。意気揚々と前を向いて歩くハリー
は気づかなかったが、ハリーに手を取られて部屋を出る時、
スネイプ教授はリリーとこっそり目配せを交わした。
 今年のスネイプ教授の任務は、昼間の間にハリーを遊ばせ
て疲れさせておくこと。
ハリーは毎年、プレゼントを届けてくれるサンタクロースに会
いたがり、ぎりぎりまで頑張って起きていようとするので、サ
ンタクロース役は夜中まで待機する羽目になっているからだ。
「ぼく、いってくるね!」
シリウスが改造したおもちゃの箒に跨ったハリーは、スネイプ
教授に向かって叫んだ。飛び立つ前から興奮している様子
だ。
「ハリー、気をつけるんだぞ!」
スネイプ教授は、万一の場合に備えて杖を握り締めてハリー
に声をかけた。
「うん!じゃ、はじめるよ!」
ハリーは興奮のあまり、頬を真っ赤にしてスネイプ教授に笑
いかけると、短い足で地面を蹴って舞い上がった。
スネイプ教授が心配していることなど露ほども知らず、ハリー
は巧みにおもちゃの箒をあやつり、スネイプ教授よりはるか
高いところでいったん静止した。
「わがはい!見ててね!」
ハリーはスネイプ教授の返事を待たずに、「ゴー!」と叫び、
頭からの急降下に踏み切った。スネイプ教授が咄嗟に浮上の
呪文を唱えようとした瞬間、ハリーは箒を再浮上させた。
「せいこう!わがはい、見てた?」
スネイプ教授は、鉤鼻で安堵の吐息をついてから、
「あぁ、見ていた。大成功だ」と声をかけた。
ハリーは技の成功と大好きなスネイプ教授に見てもらえた
喜びで楽しくなって笑いながら、スネイプ教授の傍まで飛ん
できた。スネイプ教授が、ハリーのくしゃくしゃしている癖毛
を梳かすようにして撫でるとくすぐったそうに明るい笑い声
をあげる。
「じゃ、もういっかいみせたげる!」
少し休んでからにしたらどうだと焦るスネイプ教授の静止を
意に介さず、ハリーはくすくす笑いながら再びおもちゃの箒
で飛んでいってしまった。
スネイプ教授は、緊張のあまり自身が乗り物に酔ったような
眩暈を覚えながらも、空の上の小さな魔法使いを懸命に見
守るのだった。
スポンサーサイト



プロフィール

樹里

Author:樹里
ハリポタのスネイプ教授が
大好きです。わりと腐話が
多いのでご注意ください。
本や漫画の感想も書きます。

最新コメント

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR