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2015 降誕祭SS 5

 クリスマスはとっくに過ぎてしまいましたが、最後のすったもんだ
してるハリスネです。ハリ視点ですが、スネ視点はなくてこれでおし
まいです。そして短いです。
今年の降誕祭SSは飲み物を出すことにしてたんですけど、この
カップルだと精液になりそうで困りました。でもまぁ、体液ではあ
りますね(^^;)
それでは、お付き合いいただきまして、どうもありがとうございました!

 彼は寝台に座っていた。俯いているので黒髪が肩の下まで落ち
ている。夢だということはわかっていた。彼が涙を流していたから
だ。僕は今まで一度も彼が泣いているところを見たことがなかっ
た。これから見ること、いや、彼は僕の前では決して泣いたりしな
いに違いない。それなのに僕は涙を流す彼を見ている。
僕は彼の傍まで裸足で歩いていった。夢の中で靴を履いていた試
しがないが、裸足でいると靴を履きたくて仕方なくなってしまう。
不思議だ。僕は彼の隣に座り、髪をかきわけて白い頬を流れ落ち
る涙に舌を這わせた。少し塩辛い。僕が彼の両頬の涙を舐めてい
ると次第に涙は止まっていった。肩を抱くと頭を僕に預けてもたれ
てきた。寄り添っているとお互いの温もりを感じて落ち着く。ずっと
こうしていたいと思った。僕は彼に捨てられたことを忘れてはいな
い。大体、関係を持ったのは彼の自罰癖により、僕は彼を傷つけ
るナイフの役割だった。血を流し、傷つくことで彼は少しは慰めら
れていたのだろうか。僕は二人で過ごした時間のすべてを覚えて
いるし、思い出すたびに惨めになる。それでも忘れられない。
絶対に。
 目が覚めても、苦しくはならなかった。隣の寝台で熟睡している
親友の寝言が聞こえたが、まだ夜は明けていないようだった。
そっと寝台を降りると靴ではなくやわらかい感触の紙包みを踏ん
でしまった。親友の母親からのクリスマスプレゼントだ。手編みの
セーター。おばさんは僕も家族のように大事にしてくれているのだ。
冬の休暇は親友一家と過ごせるので幸福だ。朝になったらこの
セーターを着込んで食堂に行く。家族の一員として扱われてい
るからだ。
 裸足のままで歩くと、瞬く間に足が冷たくなっていった。カーテン
の外側に潜り込み、窓に息を吹きかけて手のひらで擦ってみた。
夜は既に開けかけていたがまだ暗く、静けさに満ちていた。
そして不意に僕は悟った。彼もまたこの世界にいて、どのような
形であれ、僕たちの繋がりはまだ解けていないのだ。

 
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プロフィール

樹里

Author:樹里
ハリポタのスネイプ教授が
大好きです。わりと腐話が
多いのでご注意ください。
本や漫画の感想も書きます。

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