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メアリー一世

 なんちゃってチューダーっぽいお話を書いているので、
ブーリン家の姉妹シリーズを参考にするべく読み直して
います。
 それで、メアリー1世についてつらつら考えていたので
すけれど、この人ほど父王ヘンリー8世に人生を翻弄さ
れた人はいませんね。そりゃ、離婚したくなったヘンリー
に首を刎ねられた王妃たちも思いっきり翻弄されて
いますけど(^^;)
 メアリー1世は、イングランド王ヘンリー8世と王妃キャ
サリン・オブ・アラゴン(父はアラゴン王フェルナンド2世、
母カスティーリャ女王イサベル1世)との間に生まれた子
女のうちで唯一成人した王女でした。
幼少時はプリンセス・オブ・ウェールズとして父から鍾愛
されていたのが、男子の後継者が欲しいヘンリー8世が
キャサリン・オブ・アラゴンとの離婚を望むようになると疎
まれ始め、ヘンリー8世がキャサリン・オブ・アラゴンとの
婚姻無効宣言後、王女の称号を剥奪され庶子とされる。
後は父の繰り返される再婚と離婚のたびに待遇が良くな
ったり、悪くなったりと父と再婚相手の意向に翻弄されま
す。
ヘンリー8世は乱世の後のイングランドを統治できるのは
男子でないと無理だと考えていたんですね(母のキャサリ
ン・オブ・アラゴンは母親がカステーリャ女王なので女王
でいいと考えていた)。それでも死期を悟るようになって
から唯一の王子エドワードが病弱だったので、メアリーと
エリザベスの二人の王女に王位継承権をやっと与えます。
そして、弟エドワード6世の死後、内乱を制してやっとメア
リーは女王として即位するわけですが、

“「イングランドで初めて広く国民に支持された女王」として即位し、
イングランド国教会に連なるプロテスタントに対する過酷な迫害
を行ったことによりブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー/カク
テルの名前にもなっている)と呼ばれ、メアリーの命日はその後
200年間にわたって「圧政から解放された日」として祝われた。”



というのがメアリー1世の治世の大まかな評ですね。治世自体
が約5年と短いです。

プロテスタントに対する過酷な迫害っていっても、次代のエリ
ザベス1世がプロテスタントなので大悪事みたいになってい
ますが、迫害史からすれば大したことがないのでちょっと気
の毒。
自分が結婚したいからという理由でジェーン・グレイを処刑
した方がいかがなものかと思います。結婚の条件にうら若い
女性の処刑を出してくる相手って絶対やめておいた方がいい
と思うんですけど!
それはそうと、メアリーの結婚相手って、あのフェリペ2世な
のね。フェリペ2世って、宮殿にずーっと引き篭もって政治を
行いながら(書類王)、たまにイングランドの女王エリザベス
1世にコケにされていた暗い人という非常にざっくりしたイメ
ージしかなかったのですが、若い時は出歩いていたのね。

 もしもメアリー1世がフェリペ2世と結婚しなかった場合を
考えて見たんですが、

①若いうちにヨーロッパの王室の誰かと結婚して女王になる。

②女王にならずに国内の有力貴族か外国の王族、有力貴族と結婚する。

③女王に即位後、国内の有力貴族と結婚する。

④生涯独身。



というパターンが考えられます。

①は本来歩んでいたであろう道ですね。
元々、メアリーは幼少時からフェリペ2世の父のカール5世や、
フランスの王太子フランソワ、その弟のアンリ(のちのアンリ
2世)なんかと婚約の話があったんですよね。カール5世は
持参金問題その他でヘンリー8世が怒って破談にしたんで
すけど、自分んちだって兄のところに嫁いできたキャサリ
ン・オブ・アラゴンの持参金を返すのが惜しくって結婚した
側面(兄弟の父であるヘンリー7世は自分がキャサリンと
再婚するつもりだった)もあるのにねぇ(^^;)
この王と女王の共同統治は、イングランドがスペインなり、
フランスなりに吸収されてしまう恐れがある。

②は、メアリー1世の血筋の良さ(父はイングランド王、母
キャサリン・オブ・アラゴンは父が王で、母が女王の王
女)からしてその子の王位継承権が、弟エドワード6世(父
ヘンリー8世 母ジェーン・シーモア)より正統とされる危険
がある。

③は国民感情を考慮すればいいかもしれませんが、本人
が嫌。そしてまたもや子どもの代で揉める。(エリザベスが
外国の王族と結婚して子どもができた場合など)

④本人が嫌。

実際に11歳年下のフェリペ2世との結婚によってどうなった
かといえば、

①カトリックの宗主国スペイン王子との結婚(ジェーン・グレイの
処刑込み)によって国民からの支持を失う。

②2度の想像妊娠で大恥をかく。

③スペインとフランスの戦争に巻き込まれて、大陸に残って
いたカレー領を失う。



ほんと、不幸続きですよね…。これが3年ほどの結婚期間
の間におこって、挙句の果てにメアリー本人が崩御ですよ。
やっぱり暗くて宗教がかってる男はダメです。
 メアリー1世は誰と結婚したらよかったのかなと考えてみた
んですけど、まず、フランス王太子フランソワは若死でしょ、
その弟のアンリ(2世)には愛人ディアーヌ・ド・ポワチエがいる
から却下。
やっぱり、フェリペのお父さんのカール5世がベターかなぁ。
11歳年下より16歳年上の方が、出産のこととか考えたら
いいと思うし。お父さんの方がフェリペと違って性格が大ら
かそうなんですよ。
もしくはカール5世の弟のフェルディナント1世(神聖ローマ皇
帝)。私の一推しです(笑)フェルディナント1世は明朗快活で
愛情深いエピソードが多いのです。結婚相手アンナとの相
性が良かったという幸運もありますが。
 メアリー1世のカトリックへの強固な信仰心とか、高齢結
婚なのに想像妊娠してまで出産(おそらく男子)を熱望した
のは、自分こそが正統だという自負ですよね。
それは後継者として否定した父の過ちを正し、娘の王位
継承権を守るために、財産を没収され、宮廷から追放さ
れても婚姻無効宣言を頑として受け入れず、困窮の中亡
くなった母への忠誠の証でもある。
ヘンリー8世は王女たちを世継ぎとは見なしてはいなかっ
たかったけれど、自分の子としての情愛はなくもなかった
ところが複雑なんですよね。お妃みたいに邪魔になったっ
て処刑したりしていないし。でも外に出したら(結婚)危険
だからいわば飼い殺しみたいな扱いというか。
ヘンリー8世の娘(たち)への扱いって、女子修道院に入れ
てしまって世俗と断ち切るということはせず、宮廷内でそ
れなりに厚遇するが地位は保証しないというもの。
 メアリーにしてみたら、父が自分を否定したのはカトリック
の信仰を捨てたからで、しかし私こそがこの国の真の後
継者で、次代を産むのだという強烈な願望を抱いていた
のでしょうか。
 そして、姉の栄光と失敗をつぶさに見ていたエリザベス
は、生涯誰とも結婚せず(数多の愛人を持ちながら)、処
女女王としてイングランドを長年統治することになります。
そして、エリザベス一世の死をもってチューダー朝は終焉
しました。

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プロフィール

樹里

Author:樹里
ハリポタのスネイプ教授が
大好きです。わりと腐話が
多いのでご注意ください。
本や漫画の感想も書きます。

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